2016年(H28) 第3回 自由
最優秀賞
「夏の思い出」 鈴木 美智子 ( 坂戸市 )
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- 逆光に縁取られた二人の後ろ姿、二つの提灯、手前にはほんのちょっとの緑の雑草──これはまるで古典的舞台を観るようではないか。しかし、男性の見やるスマホと、上部の遠くに霞む街明かりを見れば、リアルな現実に引き戻される。時代が変わっても情感溢れる場面は変わりないことを表しているようだ。よくぞ、夜の夜中にこのような場面をスナップしたものである。(評は河野和典元日本カメラ編集長)
優秀賞
「都市空間」 新井 幸男 ( 川越市 )
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- 実際はビルの間に脚立に据えられたオブジェを写したもののようだが、斜めに超広角で捉えた画面からは、あたかも宇宙空間で宇宙船から機材を操作しているかのように想像させられる。シャープでコントラスト豊かな描写が素晴らしい。(評は河野和典元日本カメラ編集長)
優秀賞
「夕陽アート」 能重 房子 ( 新座市 )
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- 竹垣に植物が映るだけのシンプルな画面だが、何と言ってもこの毒々しい赤が強烈で、見る者を想像力豊かな観客に変える。私は、鈴木清順の映画「ツィゴイネルワイゼン」を思い浮かべた。 (評は河野和典元日本カメラ編集長)